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ショートストーリー

 投稿者:rara  投稿日:2011年 9月30日(金)10時49分15秒
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  ゆっくりとホテルのドアが開かれて、私の目はしっかりと、貴方の姿をとらえていた。
まだ暑い日差しの残る土曜日の午後。
「Borsalino」だと教えてくれた、あなたに帽子が似合っていた。いつも・・とっても。

ベルボーイは、私の小さなスーツケースを慣れた手つきで受け取り、チックインのフロントへと案内してくれた。

わたしは、ベルボーイにアイコンタクトをとり、あなたの待っているロビーのソファーへと
急ぎ足ですすんだ。

すぐに気づくあなたへ、
「チックインをしてきます」と・・・。

やっと貴方に逢えた。

いつも逢えるまでは、本当に会えるのだろうか・・・予定が変更になりはしないだろうか・・・体調を崩してしまっているのでは・・・?
忙しすぎる貴方を、心配してしまう今日までの日々。

フロントで、今日の日が来た事に感謝をしながら、宿泊名簿に記入をする。

静かな緑の多い、中心街から離れた今日のホテル。

大隈講堂だと、貴方が教えてくれる。

「あ~あの・・・講堂なのね」
アニメ映画で観た、あの講堂を嬉しく思い出していた。
貴方の話す声にうっとりしながら、貴方の瞳を見つめてた。

いつも貴方は紳士で、わたしを優しく包んでくれる。

茶も、コーヒーも入れてくれる。
バスタブに、丁度よい温度でお湯をはってくれる。

この日だけは、私はシンデレラ。
12時まで夢をみていていいのね。

束の間の、あなたとの時。

あなたの眠り顔をしばらく見つめて、ぼんやりと天井の一点をとらえ
今の幸せが、いつまでも続きますようにと祈っていた。










 
 
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